夕闇ト影ト綺羅星ノ館
夕闇ト影ト綺羅星ノ館ができたワケ
館に入る。
でも僕はなぜこの館にいるのか分らない。
さっきまで学校で部活をやってたはずだったのに・・・・。
なぜこんなところにいるのだろう?
横にはコウモリの銅像がずらりと並んでいて気味が悪い。
「あっ、あの・・・」
僕は前を歩く館のメイドさんに話しかける。
「何か?」
冷たい目でこっちを見る。
生きている気配がまるで無い人だ。
「ここはいったい・・・・?」
少しの間の後、
メイドさんが堅い口を開いた。
「ここは、夕闇ト影ト綺羅星ノ館。夕方4時44分44秒蜃気楼が現れたときだけココと
現実の世界が一瞬だけつながります。あなたはその少しの時空の乱れる所にちょうど飛び込んだのでしょう。
ここは孤独・悲しみ・そして恐怖だけが募る現実界とはまるで別の世界。
この世界に飛び込んだ人間はあなたを含めて4人目です。」
僕はその言葉がいったい何のことだか理解できなかった。
「えっ・・・。じゃぁここは何なんですか?」
「話を聞いてなかったんですか!あきれた。ここは夕闇ト影ト綺羅星ノ館。
現実とは間反対の世界です。」
とそのメイドさんは少し怒りながらいう。
「えっと。それじゃぁ、何でこの世界ができたんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
まったく口を開かない。
「あの・・・・・。」
「わかりました。教えましょう。」
と、コウモリの銅像の通路を抜けてある大きな広間に出た。
奥に暖炉があり城みたいな階段があり噴水があり・・・・・。
普段見慣れない興味を持つものがたくさんあった。
「昔のことです。」
メイドさんが話し始める。
「昔、この世界とあなた方が住む三界(天国・地獄・地国)は同じだったんです。
しかし地軸の突然変異でこの世界とあなた方の世界が分れ、あなた方の世界はさらに3つに分かれたのです。
この世界は焦界。苦しみ憎しみを残した者の魂で出来ている世界です。
何人もの死者の魂が作り上げたのがここ。『夕闇ト影ト綺羅星ノ館』です。」
メイドさんは強い口調で言った。
僕はただア然として口を開いていた。
しばらくするとメイドさんは
「部屋に案内します。」
といった。僕は、
「えっ?部屋ってなんですか?」
と聞くと、
「あなたはしばらくこの焦界にいなくてはなりません。その間ここで過ごしてもらいます。」
メイドさんはそういった。
僕にはさっぱり意味が分らなかった。ずっとここに居なくてはならないのか?
もしかしてもといた世界には帰れないのか?
と不安になった。
「もうし遅れました。あなたの世話係をさせていただく『エリー』です。」
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